きっと、月が綺麗な夜に。
ちょっと早めに家を出たこともあり、誰も出勤していない静かな職員室にたどり着く事に成功。
大概武明先生が1番早く、その後に校長、それに続いて僕含む他の教員、といった流れのようだが、その武明先生より更に早くこの学校の鍵番をしている人間がいる。
それが、この島の猫主と噂される『ねこじぃ』こと用務員の猫塚さんだ。
数年前、大きな台風が島を襲った日、島猫を一匹残らずどこかしらへ誘導して避難させることに成功したことから、誰かが猫主と呼ぶようになった凄いじいさんの猫塚さん。
この猫塚さんがかなりアクの強い性格で、猫たちには慕われているのに人には優しくない偏屈なじいさんである。
2年前に腰を痛めてからは、用務の仕事が辛そうで、僕たち教育で仕事を手伝おうという話になったのだが、頑なに拒まれてしまって手をこまねいていた。
しかし、武明先生の言葉を借りるなら、美矢ならあるいは、と思ったのだ。なんせ、美矢は少女の格好をした猫のようなものだ。
思えばうちの学校は猫塚さんに、妖怪校長、それからこの武明先生と、キャラの濃い人の集まりだ。
なんて、余計なことを考えつつ、僕達3人は職員室から用務室へと足を運んだ。