きっと、月が綺麗な夜に。
猫塚さんの手伝いとして美矢が認められたことは、たちまち教職員の間で話題となった。

黒猫とペルシャ猫の擬人化の2人組は、その後正式に妖怪校長先生の元へと挨拶へ向かい、用務員の作業着を着て2人で黙々と掃除をしていたようだ。

美矢の作業着はどうやらだいぶ昔誰か女性教員が着ていたものらしい。新しくないから逆に柔らかくて動きやすそうで、ちょうど良かったのかもしれない。


「虎次郎先生の彼女さん、良かったねぇ、ねこじぃに気に入られて」

「あ、いや、先生、彼女さんじゃないんです。まあ色々事情があって、後で皆さんにもご挨拶とか諸々しますけど……」


2週間ほどの期間でジジババや子供への挨拶は済んでいたようだが、出勤当番や県外に研修に出ていた先生方は美矢の事を知らない人がほとんどで、子供たちから多分僕の家に住んでいると聞いたのか、勘違いしている人も多い。

しばらく美矢は挨拶やら仕事を覚えるやらで大変そうだ。
けれど彼女なりに僕たちの日常に溶け込もうと努力してくれているから、僕もそれを出来る限り助けてあげようと思う。
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