きっと、月が綺麗な夜に。
うちに帰る道のりで、僕と美矢との出会いと、美矢について簡潔に話すと、ケンゴは『同世代』の『女の子』という未知なる生物にうきうきとしている様子だった。


「へえ、ギター弾けて歌上手いんだ。何かリクエストしたら弾いてくれる?」

「多分ね。知ってる曲なら。あの子、音楽詳しいから大概知ってそうだし、もしかしたら何回か聴いたら耳コピ出来るかもね」


僕がサブスクを使って流していた無名のシンガーソングライターの曲を『いい曲だね』なんて言って一緒に聴いていた翌日には鼻歌交じりに弾いていたから、かも、じゃなくて耳コピも容易いのだろう。


「すげぇなあ。歳も近いのに。早く会ってみたいや」

「あんまり期待しないであげて。めちゃくちゃマイペースでゆったりした子だから。いい子だけど」


この島に来て友達と呼べる存在が僕や武明先生くらいの美矢にも、同世代の友達が作るに作れないケンゴにもいい影響になると良いな。

話していたらあっという間にうちの前。
今日は中華だろうか、りょーちゃん特製の激ウマエビチリの香ばし香りが漂ってきていて、隣から、唾を飲み込む良い音が鳴り響いた。
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