きっと、月が綺麗な夜に。
外は思っていたより、もうずっと雨風が暴れ回っていた。

破れにくい雨具を見にまとい、傘を持って外を出たものの、傘なんて意味がなさそうな程の大荒れの天気だ。

まさか海の方に行ってはしないよな。
荒れた海の方を見てゾッとする。こんなに激しく冷たい雨風が僕たちに降り注ぐのに、嫌な汗で全身が熱くなる。


「ちあきー!たかひとー!いないよな!?」

「いたらなんでも良い!声でも、光でもいいから場所を示してー!」


僕やりょーちゃんの声は雨風に掻き消され、大の大人の男でさえ無力なのだと神様に言われている気がしてしまう。

激しい嵐に飲み込まれまいと足に力を入れながら道なりに歩き、僕とりょーちゃんはやがてカフェを通り越し、学校の前へとやってきた。


「とら、こっちにはいなさそうだ、そっちは?」

「こっちにもいないよ。念の為学校の……いや、待って、りょーちゃんあれ」


学校を少し上から見れる現在地。誰もいなくて真っ暗なはずの学校の、校庭の奥の体育館の方で、微かに、光がチカチカと光っている。

僕とりょーちゃんは顔を見合わせ、持ってた懐中電灯をゆっくり2度、点けたり消したりして合図を送る。

すると、あちらの光のような粒も、確かに、2度、同じように点いたり消えたりした。
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