きっと、月が綺麗な夜に。
この場合、なんて声をけてあげたら良いか、正解が分からない。それを導くにはまだ未熟過ぎるから。

本人たちにとって、ペンダント紐に通ったその指輪はこんな暴風雨の夜に、大人に怒られる覚悟で取りに来るほど、尊く付加価値の高いものなのだ。

でも、2人がしたことは間違っている。2人の命に変わるものなんてない。いかに危険なことをしたかということをしっかり伝えなくてはならない。

僕の腕の中で泣く2人への言葉に困り、そっとりょーちゃんを見上げた。分からない時、いつだって頼るのは結局りょーちゃんで。

干支1周と2歩分しか変わらないりょーちゃんだけど、血の繋がりはないけれど、僕の親はやはり、後にも先にもこの人だけだから。

りょーちゃんはそっと微笑み、僕と、千明と貴人に温かい毛布のような声をかけた。


「帰ろう。君たちを叱るのは、君たちの親御さんがしてくれる。俺たちは君たちの無事を素直に喜ぶことにするよ、ね?とら」

「うん……そうだね。無事でいてくれて、ありがとう」


間違いを叱るのは、言葉が1番響く人が良いに決まってる。だから、僕もりょーちゃんに従って、2人が無事でいたことの方への感情を表に出そう。
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