一匹狼くん、 拾いました。弐
 それから俺達はミカと葵に訳を説明して、その日はミカと俺と結賀はダイニングで、おじさんは寝室で寝た。

「ゴホッ! ゴホゴホゴホ!」

 翌日、俺は隣にいた結賀の咳を聞いて目を覚ました。

「結賀、深呼吸。体温計とってくる」

 ダイニングの隅の棚にある体温計をとって、結賀に渡す。

 脇の下に指した体温計の温度を見て、結賀はげっと舌を出す。

「三十九度……知恵熱だな。出した原因は虐待のストレスか」

 温度計を見て俺は呟く。

 予感当たった。熱なだけマシだけど。

「俺そんなの出す歳じゃねぇんだけど」

「大人だって疲れたら出すんだよ、こういうのは。何なら食える? 今朝の四時だからお腹空いてない?」

「空いてない。……でも仁が作るものなら食う。キッチンの引き出しにお粥あるかも」

 引き出しの中を開けて声を出す。

「卵と鮭はどっち?」

 銀色のビニールから、皿に出して温めるだけのお粥があった。

「卵」

 掠れた声が聞こえる。

 できたお粥の中央に蜂蜜入りの梅干しを置いて、結賀の元へ持っていく。

 ミカが起きていた。

「おはよー、仁」

「悪いミカ、起こしたか」

 ミカは笑って首を振る。

「いいよ。結賀それ、一人で食えない? 折れてるの右腕だし」

「ん」

 結賀の目の前に行って、スプーンでお粥をすくって差し出す。

「は?」

 俺を見て結賀は眉間に皺を寄せる。

「早く口開けろ。左手で食べてこぼしたら面倒」

 顔を真っ赤にして口を開ける。

「ハハ、ハハハ」

 お粥を食べている結賀と俺を見て、ミカは笑う。

「どうした」

 俺の言葉を聞いて、ミカは口を開く。

「両想いなんだなぁって。かなりカップルっぽい」

「はっ、はぁ?? 違……くねぇ」

 全身の血が沸騰するのがわかる。

「え、仁じゃあ……」

 結賀はお粥を食べながら首をかしげる。

「付き合うのはお互い進路決まってから!」

「そっか……ゴホッ。喉痛い」

 咳がおさまるのを待ってから、もう一回お粥を口に運んでやる。はぁ。目が離せない奴。

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