一匹狼くん、 拾いました。弐
 ホテルをキャンセルして、仁の妹の部屋に行く。仁が妹のベッドに寝転がる。色々あって疲れたよな。

 妹の部屋はピンクのベッドに、ピンクの机、リボンで結ばれた赤いカーテンと、女子っぽさがすごかった。

「ごめん鈴音、寝ていいか」

「あ、うん。パパ帰ってきたら起こすよ」

 頷いて、仁は布団を被る。五分もしないうちに寝息が聞こえた。

「あり? かーわい」

 結賀は仁の頬をつんつんしてしまう。

「あの……結賀さんは、仁の彼氏になったんですか?」

 結賀は目をパチパチする。

「えっと、まだなってない。え、そう見えた?」

「はい。前会った時と空気が違うなって」

 妹が頷く。そういうところはわかるのか。

「受験終わったらって話してんだ。俺進路未定だし」
 
「え、大学じゃ……結賀さん頭良いんじゃ」

 妹は瞬きをする。

「仁言ってた?」

「いや、パパから聞いて。お兄の友達で、頭良さそうな子が二人いるって。お二人のことですよね」

 妹には話さなそうだもんな。

 ん?

「二人って、俺も?」

「あ、はい。一人は銀髪で、もう一人は茶髪って言ってたので」

 仁、そんな話していたのか。

「そっか。鈴音ちゃんさ、仁のこと嫌い?」

 結賀は首をかしげる。それは聞いていいのか?

「まっさか。怖いですけどね。でも私のこと、世話してくれるし」

「あ、そう思ってくれてんだ? よかった、仁不器用だからさぁ。わかりにくいだろ」

「あ、それいおねえも言ってました」

 伊織のことか。

「言い方きついけど、あれでも鈴音ちゃんが大事なんだよ。本当に」

「あはは、それも言ってました!」

 妹が笑う。

「ええ、マジ? まぁ俺とあいつ、運命共同体だしなぁ」

 結賀はにやにやと笑う。

「……鈴音ちゃんは、お母さんが好き?」

 俺は仁の妹の目を見て尋ねる。

「はい、今はまだ。色々理解しきれてないので」

「……嫌いになれないよな。でも仁とは向き合って欲しい。今まで以上に」

 妹はしっかりと頷いた。
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