一匹狼くん、 拾いました。弐
 コンコン。ドアがノックされる。開けると、結賀と俊がいた。紅成さんも巻き込んで、二人は抱きついてくる。

「よかった。紅成さん、いつまで言わないのかと」

 結賀はクスクス笑う。

「本当に。俺も不安だった」

俊も笑っている。

「仁おめでとう。これから仁をお願いしますね、紅成さん」

「任せろ」

 結賀の言葉に、紅成さんは勢いよく頷く。

「……たぶん俺、重いですよ」

 涙を拭いながら呟いてしまう。愛に飢えた心には不安しかなくて、つい余計なことが出る。


「知ってる。それがまた可愛いじゃん?」
 
 瞬きする。何だそれ。

「アハハ! 変な人っすね」

 つい笑い声を上げてしまう。すると紅成さんが、顔を俺に寄せる。

「変なのは康弘さんと仁の母親だろー?」

 また目頭が熱くなる。泣き止みそうだったのに。どうして紅成さんは、いつも俺がほしい言葉をくれるんだ。

「っ、死ぬまでそばにいてください」

「言われなくても」

 神様なんて、いないと思ってた。本当にいなかった。だって、俺の神様は紅成さんだから。

「飯、食いに行くかあ」

 俺の目にハンカチを当てて、紅成さんは笑う。

「顔洗ってきます」

 流石にその方がいい。

 夕食はバイキング形式だった。

 懐かしい。こんなの父さんや母さんが一緒にいた時以来だな。

 焼いた鮭にオムレツに、温泉卵。サラダに肉じゃがに、焼きたてのパンに甘いケーキ。料理を運ぶだけでわくわくする。

 ミカは辺りをキョロキョロ見回して、尻尾があったら絶対に振っていそうだ。

 俺も落ち着かない、新鮮で。

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