君がいたから

「結愛、なんで嘘つくの ?
こんなに震えているのに
バレないとでも思っているの ? 」


少しだけ強い口調になるけど

優しく両手で私を包みこんだままの蓮



「俺に言えないようなことなの? 」

コクリとうなずく。


「結愛が言うまでずっと離さないよ」


蓮に優しくされればされるほど、
自分の弱さに腹が立ってくる。


「もう放っておいてよ
話したってどうせ私の気持ちわかってくれないもん 」


もがいて、蓮にの腕から抜けて
頭から毛布の中にもぐりこむ。


話さなくてもいつも私の気持ち理解してくれようとする
蓮にこんなやつあたりするなんて…


私って本当迷惑な存在だよね。

素直に優しさを受け入れられなくて…


でも、この副作用の辛さも怖さ
もやってない人にわかるわけない…


そう思ってしまう
曲がった性格でごめんね…




「………結愛 」


蓮に毛布ごしに背中を擦られたまま
意識を離す。



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