君がいたから

これが私を苦しめているんだね。

点滴を見てそう思う。

気がつくと私は点滴を抜いていた。



こんなの辞めたいとは

この前の治療のときでもいつも感じていた。


だけど絶対治したいっていう気持ちがあって

蓮に泣きごとを言ったり、抱きしめられてしながらなんとか乗り越えていた。



でも、今、嬉しさ、悲しさもない空っぽに近い心。

閉じこめられた部屋で
痒み、怖さ、苦しさが残り


生きている意味あるの………?

って本気でそう思ってしまった。



ポタポタとたれる真っ赤な血…

点滴を抜いてしまったなんて蓮に知られてしまったら

今までにないくらい怒られるかも。


いっそ見捨ててもらえれば私も諦めがつくなんて思ったけど


目から滴がこぼれ落ちる。


「嘘っ………どうして? 」

誰もいない部屋に、声が響き
悲しくなんて気持ちなくなったはずなのに、涙が止まらない。



「グスン…ヒック………ゲホッ…ゲホッ… 」


泣いていると呼吸までもが苦しくなって
喘息の発作までも出てきてしまった。




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