こじらせ社長のお気に入り
「そうなんです。よくわかりましたね」

「あたりまえだよ。可愛い女の子のことは、いつもチェックしているからね」

歯の浮くようなことを言って甘い笑みを浮かべた社長に、周辺の女性陣まで顔を赤らめてしまった。

なんなんだ、このハートの飛び交うようなピンクなやりとりは……

「そんなんだから、まともに恋愛もできないんですよ」

その様子に、副社長はわずかに顔をしかめて、小さな声で呟いた。

〝まともに〟って……
この様子だと、この人、相当な遊び人なのかもしれない。

うん。
この人の言葉は、額面通りに捉えない方がいいと、心にメモした。









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