必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
 エイミは恥ずかしくなった。ジークや城のみんなが優しいから、自分は知らず知らずのうちに調子に乗っていたのかもしれない。

 妻らしいことなんて、なにひとつこなせていないくせに偉そうに妻だなんて……。元々、子守りのスキルをみこまれただけなのに……。

 しゅんと肩を落としてしまったエイミに、ジークはあわてて声をかける。

「いや、違うんだ! その……嬉しいんだ。エイミが当たり前のように俺の妻だと言ってくれることが。俺は、エイミに無理を言って結婚してもらったようなところがあったから」
「無理なんて! そんなことは決してありません! ジーク様が結婚して欲しいと言ってくれたことは、私の人生で一番嬉しい出来事でした」

 エイミがきっぱりとそう言うと、ジークはほっとしたように息をついた。

「そうか……。では、これからも恥ずかしがらずに俺の妻だと言ってくれるか?」
「は、はい。ジーク様が嫌じゃなければ……」
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