新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 心が揺れる。……だけど揺れて当然ではないだろうか。だって未来のことなど、誰にもわからない。

「わかりません」

 はっきりと告げると、社長は目を丸くさせた。

 ここで「はい」と言うのは簡単だ。でも私は嘘をつきたくない。相手がジョージさんのお父さんだからこそ余計に。

「今は自信を持って『はい』と言えません。未来のことは予想できないので。……でも私はなにがあっても、ジョージさんと乗り越えていきたいです。どちらかが、どちらかを支えるのではなく、互いを支え合っていくのが夫婦だと思います。私はジョージさんと、そんな関係を築いていきたいと思っています」

 そうやって人は、幸せになっていくものだと思うから。

 自分の想いはすべて伝えることができた。……社長が望む答えがどうなのかわからない。もしかしたら、なにを言ったってジョージさんとの結婚を反対されるのかもしれない。

 出方を待っていると、社長は「フッ」と笑みを零すと、初めて表情を崩した。
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