新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「同期として応援しているよ。いやー、でもわかるよ、川端さんの気持ち。だって男の俺から見ても、新川部長はカッコいいもんな。あれは惚れるって。見る目があるよ!!」

 必死に私を励ます井手君に、自然と口元が緩む。

 報われない恋をしていて不憫だと思われているのは癪だが、こうして応援してもらえるのは素直に嬉しい。

 それにこの恋が実る可能性は、まだまだ低いもの。井手君の言う通り、奇跡に近いのかも。

 ジョージさんとふたりで食事をしてから三ヵ月近く経つが、あれっきり進展はない。

 それというのもジョージさんの仕事が忙しく、ここ半月はシェアハウスにもほとんど帰ってこず、来ても夜遅くに来て、朝早くにまた出勤しているようだ。

 だから会社でしか顔を合わせていないし、会っても挨拶を交わす程度にしか話せていない。

 そんな中で進展など望めないわけで、ジョージさんに気持ちが届く未来までの道のりは、果てしなく遠い。

 でもこうして自分の恋を応援してくれる存在がいるのは、非常の心強い。

「ありがとう、井手君」

 素直にお礼を言うと、井手君は照れくさそうに頭を掻いた。
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