クールな王子は強引に溺愛する

 父が帰るのは夕刻。それまでに野苺をメイソンのところへ持ち込んでジャムにしてくれるよう頼み、ジョージには野苺は摘み頃だと教えに行っても十分間に合う。

 本当なら全てを済ませてから着替えたいけれど……。
 メイソンにはこのまま野苺を渡しに行くとしても、ジョージの元に行く前に着替えたほうが良さそうだ。

『伯爵令嬢らしく!』と肩に力の入っているローレンスに着替えをしないまま再び出掛けたと知られたら、また小言を言われてしまう。

 まずは調理場へと急ぐ。調理場に顔を出すのもよく思わないローレンスに隠れるように。
 悪巧みをするような心持ちでドキドキするものの、任務を遂行する密偵のようでワクワクもして、淑女たる令嬢には程遠いなと苦笑した。
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