クールな王子は強引に溺愛する

「モリー。それにエミリーお嬢様」

 食材のチェックをしていたメイソンが、忍足で調理場を訪れたエミリーたちに目を丸くした。

「野苺を摘んできたの。ジャムにしてくれるかしら」

 差し出した籠いっぱいの野苺に視線を落とし、メイソンは頬を緩ませた。

「はい。喜んで。これだけあれば良質なジャムがたくさん作れます」

 思っていた通り鍋のしまわれている棚の奥から大鍋を取り出し始めた。
 おいしいジャムが出来上がる予感に胸を躍らせつつも、つい欲張りなお願いを口にする。

「野苺はすぐに傷んでしまうでしょう? ジャム以外になにかないかしら」

「野苺はそのまま食べるのが新鮮でおいしいですが、パイにしてもおいしいですし、もちろんジャムもおいしいです」

 メイソンの作ってくれるジャムはパンに乗せて食べると格別だ。甘酸っぱい芳醇な香りが濃縮されたジャムは、パンを食べ過ぎてしまいそうになるほどにおいしい。
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