クールな王子は強引に溺愛する
「ドレスも、そのためですか? 物で釣ろうだなんて……。ふふ。なんだかリアム様も普通の青年なんですね」
後ろで背筋を伸ばし騎乗していたリアムが、体を屈め顔に頬をすり寄せ近づけた。突然近くなる仕草に目を回す。
「我が妻を懐柔するのは難しいな。どうすれば喜ぶのだ」
「ま、前を、向いていてくださいませ。私では手綱を操れません」
フッと笑い、姿勢を正され、安堵するものの、逞しい胸板に背中を預けている状況はあまり変わらない。
「ドレスは、なにも機嫌を取るだけじゃない。必要になる。遠慮せずに作るんだ」
「……はい」
どこか後ろめたく思っているのを、どう説明すればいいのかわからない。今のままお飾りでいては、ドレスを買ってもらうにも恐れ多い。
すると、リアムは手綱を引いて馬を止めた。先に降りたリアムに支えられ、馬を降りる。