クールな王子は強引に溺愛する
「ここ。この季節になると実がなっている。うまそうで、つい食べたことがある」
リアムの視線の先を辿ると、子どもの拳くらいの小さな赤紫の実をたわわにつけた木があった。
「ついって、食べて大丈夫な実なのですか?」
リアムは「グレイソンと同じ台詞を言うな」と、苦笑する。
「プラムというらしい。小型の桃という見た目から一部地方では『すもも』とも呼ばれる。酸っぱい桃というわけだ。食べてみるか? 甘くて瑞々しい」
木に歩み寄ったリアムはひとつ手にし、服の端で拭いてからエミリーに手渡した。そしてリアム自身ももいだ実を口にする。
「桃に比べれば酸っぱいという意味らしいが、甘いな」
エミリーもリアムに倣って、ひとくちかじってみる。
「本当。瑞々しい」
ひとくちどころか、かじり続けるリアムに小さく笑みをこぼす。
「皮ごと食べられて気になりませんか?」
「ん?」
口からプラムを離したリアムの姿にドキリとする。唇を赤く滴らせ、なんだかとても妖艶に映る。