クールな王子は強引に溺愛する
「さあ、完成しましたよ。エミリーお嬢様」
目の前の姿見に映る自分の姿に視線を移すと、モリーがため息混じりに絶賛する。
「このお姿でリアム様とお会いになれれば、森の妖精に見間違えられましたのに」
「言い過ぎよ。モリー」
窘めても、うっとりしたモリーの耳には入らない。
「王都でお暮らしになられるときは、わたくしも連れて行ってくださいね」
これには目を丸くして、噴き出してしまった。
王都で暮らすというのは、本当かどうかもわからない求婚を受け、リアムと結婚をすると言いたいのだ。
「モリーったら。気が早いわ。でも、そうね。どこに行ってもモリーが側にいてくれると心強いわね」
クスクス笑うエミリーに、モリーは感激しているのか目を潤ませている。
エミリーは急かすようにモリーの背中を押した。
「ほらほら。お父様がお帰りになられる前に、ジョージに野苺の収穫の件をお願いしておかなきゃ」