クールな王子は強引に溺愛する
慣れ親しんだ小道を通り屋敷に到着する。連絡が入っていたのかローレンスがにこやかに迎えてくれた。たった1ヶ月程度離れていただけなのに、とても懐かしく感じる。
「リアム様とご一緒のご訪問と聞き、わたくしは心より安堵しております」
「わざわざリアム様に聞こえるように言わなくてもいいでしょう?」
ローレンスなら跳ねっ返りのお嬢様が離縁されないだろうかと、心配していてもおかしくない。
そんな含みのある言葉に不貞腐れてみても、小言すらも懐かしさとうれしさのほうが上回る。
「旦那様と奥様が応接間でお待ちです」
走り出したい気持ちを抑えつつ、部屋へと入ると両親の顔を見て、感情が昂って言葉に詰まる。
「リアム様、この度は誠にありがとうございました。エミリー。よく遊びに来てくれたね」
そうだ。もう『帰ってきたね』ではないのだ。私が帰る場所は、リアム様の元。