クールな王子は強引に溺愛する
「あとは煮詰めるだけです」
「ほう」
感心したように頷いているリアムに、エミリーが付け加える。
「ここから焦げ付かないように、絶えずかき混ぜるんですよ」
「なるほど手間暇がかかっている。それに蜂蜜も希少価値が高い。これは高級品にして問題ない」
リアムの言葉を聞いて「ふふふ」と笑う。
「どうした。なにがおかしい」
「いえ。少し前に、野苺のジャムを見ながら私も同じ台詞を呟きました。そのときは『焦ってはダメね』と自分を窘めましたわ。それなのにリアム様は本当にそうされてしまった」
エミリーの指摘に、リアムは片眉を上げ往生際悪く言い重ねる。
「高値で取引されるようになったのは、野苺ジャムがおいしいからだろう?」
私はひとりクスクス笑い、事情も知らない上に笑うわけにもいかないメイソンを困らせた。