クールな王子は強引に溺愛する

「ここが、よかったんだよ」

「ふふ。そう」

 意味深に呟くリアムの横顔は、どこか優しげでとても愛情に溢れた表情を浮かべている。

 リアムがジェシカを見つめる眼差しにエミリーの中で、意味のわからなかった謎が繋がりを見せ、解けていくのを感じた。

 辺境伯になったのは、兄のバージルを支えるためだけじゃない。ここにはジェシカがいるから。導き出した答えに、胸が張り裂けそうになる。

 でも、それならばジェシカと結婚すればいい。

 読み解けたと思った謎は、余計に深まってしまった。それでもリアムの心の在り処を知ったエミリーは、胸に苦しさが広がっていった。

 テーブルには既にクリフォード卿、伯爵夫人が着座し、リアムとエミリーが夫妻の前に座る。

「私はエミリーの隣がいいわ」

 そう言って、ジェシカはエミリーの横に座った。

 食事をしながらの話題は、リアムがクリフォード辺境伯になるために騎士としていかに努力していたかという、クリフォード卿からの賞賛。
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