クールな王子は強引に溺愛する
「まさか本当に元帥になるとはな」
「それは、約束ですからね」
クリフォード卿は大柄な体を揺らして、笑う。
「元帥になればクリフォード辺境伯の爵位を譲ると言ったのは、早まったか?」
「男に二言はありますまい」
エミリーが知らなかっただけで、何度もクリフォード辺境伯領に足を運んでいた様子が話から垣間見られた。
子どもの頃にエミリーがリアムに出会ったのも、クリフォード辺境伯領に遊びに来ていたからだったのだと、今さらながらに理解する。
豪華な食事を堪能し、肉料理が運ばれるとクリフォード卿が不満げに訴える。
「野苺ジャムを流行らせたのは、リアムらしいな。人知れぬ至極の品だったから良かったものを。お陰で手に入りづらくなった」
目の前に置かれた肉料理には野苺ジャムを使ったソースがかけられている。クリフォード卿は今のように野苺ジャムが注目される前から、好んで使ってくれていた。
リアムは目を鋭くさせ、冷淡に言い放つ。
「値打ちがあるものには、それ相応の価格設定が必要ですから」