クールな王子は強引に溺愛する
クリフォード卿はリアムの冷たい対応を受け、大げさに肩を竦める。
「これはよほど妻が可愛いとみえる」
「事実を述べたまでです」
エミリーはふたりのやり取りをハラハラした気持ちで見ていたが、ジェシカはクスクスと笑い、エミリーに耳打ちをする。
「ああ見えて、父はリアムが大好きだし、リアムも父を慕っているから放っておいても大丈夫。あれで戯れ合っているつもりなのよ」
戯れ合って、いるんだ。
確かに言葉の強さの割には、険悪な雰囲気にはなっていない。
エミリーよりもジェシカの方がリアムをよく分かっている。みぞおちの辺りに、どうしても消えてくれないモヤモヤした気持ちが溜まっていく。
エミリーは心あらずのまま、食事を終えた。