クールな王子は強引に溺愛する
「いや、寝ぼけていた。敵の襲来かと思った」
これには驚いて、彷徨わせていた視線を見開きリアムに合わさる。
「ずいぶん物騒ですわ」
「エミリーなような、可愛らしい侵略者なら大歓迎だ」
穏やかな柔らかい微笑みを向けられても、上手く笑みを作れない。
「侵略、するような人がいるのですか?」
恐ろしさから声を潜めると、リアムは真面目な表情で国外の様子を話し始めた。
「どこの国もアンベリール王国のように穏やかなわけではない。隙あらば奪おうとする者は少なからずいる。単独も然り、秘密裏では国家的にも然り」
不安げな顔を見せると、リアムは首を伸ばし唇を重ねる。
「そのために騎士団や辺境伯がいるのだ。安心していろ」
頼もしい言い分にも、エミリーは首を横に振る。
「ですから心配なのですわ。リアム様が危ない思いをされないかと」
「それは……」