クールな王子は強引に溺愛する
言葉を途切れさせたリアムと見つめ合う。時を忘れていると、突然けたたましく扉が叩かれた。
「リアム様! 一大事にございます!」
グレイソンの焦りの混じった声に、リアムは半身を起こし表情を固くさせる。
「なんだ」
「バージル様がご成婚されるそうです!」
目を丸くするエミリーに対し、リアムは多少は知っていたのだろう。呆れたような声を出し、張り詰めた空気を緩める。
「そんなことか。わざわざ騒ぎ立てる内容ではあるまい。やっと兄上も腰を据える気になったのだ」
ため息を吐き、くしゃりと髪に手を入れたリアムは次のグレイソンの言葉に刮目することとなる。
「それが、国民への報告を行う式典を開くそうで、第二王子であらせられるリアム様にも、王都に出向くようにと早馬で知らせが。滞っている仕事を速やかに片付けなければ、向かうのは到底難しく」
「兄上め……」
恨み言を呟くリアムの声は聞こえないのか、扉の前ではグレイソンの焦る声が再度聞こえる。