クールな王子は強引に溺愛する

 それからはエミリー自体も忙しくなり、体調と相談しながら、今日はエミリーの周りを仕立て屋の数人が囲う。

「まあ、なんてきめ細やかな肌ですの。張りがあって滑らかで。それにこの殿方を誘惑する体つき」

 あれ以来、リアムは必ずエミリーを腕に抱いて眠った。起きているうちに帰る日はほとんどないが、仕事の合間の僅かな時間も顔を見せエミリーを必ず抱きしめた。

 くすぐったいくらいの愛情を感じ、うれしくはあるのだが、困ったこともあって。

 ここ数日のリアムを思い出し、慌てそうになるエミリーの体は、代わる代わる試作のドレスを着せられ、体型に合わせ手直しの針を付けられる。

 扉がノックされ、「俺だ」とリアムの声を聞くと仕立て屋たちが、サッと傍に避けたのと同時にリアムが入ってくる。

 エミリーは純白のドレスに身を包んでいた。胸元はレースで包まれており、ドレスだけ見れば清楚で儚げな淑女が演出されそうだ。

 しかし体のラインに合わせられたドレスは、清楚なエミリーの妖艶で蠱惑的な部分を最大限に引き出すものとなっていた。

「これは夜着にするわけではあるまい?」

 リアムの声色で仕立て屋に緊張が走る。美しく着飾ったはずが、声には不機嫌な色合いが混じっている。
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