クールな王子は強引に溺愛する
夜になり、横になろうかという時間にリアムが顔を出した。
「久しぶりにエミリーの起きている時間に戻ってこられたな」
エミリーを腕に抱き、喜びを噛みしめる。そのまま抱き上げ、ベッドの上にふんわりと下ろす。恥じらっているエミリーが可愛らしい。
「リアム様、お召し物を……」
「今から脱ぐのに必要か?」
胸は鼓動を早め、リアムの体に顔を埋める。
「でしたら、リアム様からお脱ぎくださいませ。いつも私ばかり」
次は時間をかけて愛すると宣言した通り、もどかしいほどに焦らされ、リアムが服を脱ぐ前にエミリーは意識を手放すように仕向けられているような気さえする。
「あの程度で気をやるようでは、体力が戻っていないのだろう?」
口の端を上げそう言われ、やはりわざとそうなるようにしているのだと確信する。
「リアム様は意地悪ですわ」
口を尖らせるエミリーに、リアムはフッと表情を緩める。
「エミリー。王都で暮らすか」
「えっ」
突然の申し出は、話をはぐらかすためにされた内容とは思えない。
「自然豊かなクリフォード辺境伯領は、蜂も多い」
「しかし、それではリアム様の志が」
兄のバージルを辺境伯として支えたいと、話してくれた。その時の目の輝きを忘れてはいない。
「王国の平和も大事だが、エミリーの方が俺には大切だ」