クールな王子は強引に溺愛する
優しく口付けたあと、唇は昼間に赤く印をつけた部分に重ねられる。
『王都で暮らす』
その提案に返事ができぬまま、抗えない刺激に熱い吐息を漏らす。
エミリーは式典の後に開かれるであろう晩餐会で優雅に振る舞えるようにと、立ち姿やダンスを改めて習い直している。
体調と相談しながらとはいえ、もともと苦手だったダンスの習得に苦心しており、その疲れもある。
リアムにしがみつき、寄せては返す官能の波に溺れ、すぐに意識を手放してしまうのだった。
きつくしがみついた後、眠ってしまったエミリーの髪を撫で、思わずため息を漏らす。
「初心過ぎるのも困ったものだな」
そうぼやきつつも、どこか安堵している自分もいた。時間のない中で抱いてしまっては、エミリーを抱き潰してしまいそうだ。
「肌を重ねられる日は遠いな」
どこか諦めたように呟いて固く目を閉じ、それから脱がずに済んでしまった服を着替えるために部屋の奥へと移動した。