クールな王子は強引に溺愛する
リアムの腕の中、揺れる瞳を向けるエミリーに目を細め、唇を掬い取るようなキスをする。
「兄上は俺のせいだと言いたいだけだ。姫がふたりのラルジュ王国で、王位継承権の高い姉上の方が我が王国に来る。兄上には感謝されたいくらいだ」
話の見えないエミリーが頭に疑問符を浮かべていると、仲の良い兄弟だからこそ知り得る話を漏らす。
「いつまでも結婚しなかったのは、兄上も密かに想う方がいたからだ」
「それは……」
言葉を失うエミリーにリアムは付け加えて話す。
「互いに想い合っていたが王国を支える者同士、自分の意思だけでは動けなかったところ、婿入りを期待された弟が勝手に別の令嬢と結婚。その責任を取るという名目で、想いを成就させたのであろう」
「名目で……成就。それでは!」
エミリーの中でなにかが一致し、目を見開く。
バージルは、次期国王として呼び声の高かった第一王女のフレイア姫と成婚する。どうして第二王女のリリアン姫ではないのだろうかとは思っていた。