クールな王子は強引に溺愛する
「ほかの男の話はもういいではないか」
再び口付け、わざと深く濃厚なキスへと変化させると、蕩けた表情で胸元へと顔を埋める。そんなエミリーにここ数日の想いを吐露する。
「忙しかったとはいえ、エミリーが旅立った後のひとり寝は虚しかった」
「私も寂しく思っておりました」
先に発ったエミリーも、本当にリアムと王都で会えるのか不安に思っていた。それは恋い焦がれてというよりも、頼り切っているからで。
目を伏せ、リアムの向ける甘い雰囲気に溺れる前に本音を漏らす。
「お飾り妃は、嫌ですわ」
「それは王都で暮らしたくないという、この前の返事か?」
蜜蜂の多い田舎のクリフォード伯領を離れ、王都で暮らさないかと提案された。その件も話さなければならない。
「それも、あの」
唇に指先が添えられ、言葉が遮られる。
「慌てずとも、話す時間はある。まずは食事にしよう」
優しく促され、小さく頷いた。