クールな王子は強引に溺愛する
食事をしながら、『王都で暮らす』提案の返事をした。
兄であるバージルを辺境伯として支えたいリアムの志を、邪魔したくないこと。
蜜蜂は王都にもいないわけではなく、自然豊かなクリフォード伯領が好きだということ。
また、王都で生活すればリアムに頼り切ってしまうであろう自分が嫌なこと。
エミリーの意見を最後まで黙って聞いていたリアムは苦笑する。
「素直に王都で暮らすとは言わないだろうと思ってはいた」
「すみません。せっかく考えていただいたのに」
エミリーは顔を伏せ、小さくなる。
「そうなるだろうと思って、手配はしておいた」
「え、なんの」
顔を上げるエミリーの唇を奪うと「口付けで誤魔化そうだなんて」と文句を言われる。
「蜂毒に慣れる処置を施すのはどうだ」
『毒』と言われると不穏な感じがして、胸がざわざわする。しかし慣れる処置があると聞き、一筋の光が差しこんだ気がした。
「その処置をすれば、蜜蜂に怯えずに過ごせるのですね?」
「ああ。蜂の毒に拒否反応が出なくなるまで、少しずつ毒に体を慣らす。王族で行われている方法だ。危険は伴うが、医師の判断でやれば安心だ」