クールな王子は強引に溺愛する

 蜂は悪くない。それなのに蜂に怯えて過ごしたくない。

「ただ、時間はかかる。初めての処置は王国の医師の立ち合いの元がいいだろう。その後は、よほどひどくならない限りはクリフォード伯領で行えばいい」

「ありがとうございます。本当に」

「いや、俺の方こそ感謝をしなければな。俺がクリフォード辺境伯になりたかった気持ちを汲んでくれたのだろう?」

『リアム様となら、どこへでも』そう応えたエミリー。そしてそれはリアムのしがらみや建前を鑑みた上で、簡単には『リアム様が言うのなら王都で暮らしましょう』とはならなかった。

 理由のひとつとして挙げた『王都で生活すれば、頼り切ってしまうであろう自分が嫌』というのもまた、エミリーらしい。

「ただ、私のために諦めていただきたくなかっただけですわ」
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