クールな王子は強引に溺愛する
清らかな考え方に触れ、リアムはフッと息を吐き自虐的に言う。
「エミリーは俺を思って行動しているのに対し、俺はどこまでも自分本位だ。修道女になりたいという高い志を尊重してやれなかった」
エミリーは目を丸くし、何度も伝えてきた感謝の言葉を口にする。
「助けて、いただきましたわ」
それでもリアムは首を横に振る。
「本当に想っているのなら、修道女になれるよう見せかけだけの夫婦となり、キッシンジャー卿の脅威が去った後に、自由にさせるべきだった」
「リアム様……」
自身を顧みて浮かべるリアムの苦悩の表情は、胸を締め付ける。かける言葉を見つけられずにいるエミリーに、リアムは断定的に宣言をする。
「しかし俺は、エミリーを手離すつもりはない」
迷いなく真っ直ぐに見つめる眼差しに、エミリーは隠しておけない自分の弱さをさらけ出す。
「私が修道女を志したのは、リアム様がお考えになっているような高尚な理由ではありませんわ」
黙って耳を傾けるリアムに、エミリーは続ける。それは自分の一番弱く見せたくなかった一面。