クールな王子は強引に溺愛する

 抱き上げられ、ベッドに降ろされる。ひと続きの夜着は紐を解かれ、肩から滑り落ちる。夜着が肌を伝い下がっていく感覚だけで体が震える。隠されていた白い肌は、薄らと赤く色づいていた。

「綺麗だ」

 手を取り手首にも口付けながら、エミリーの体の隅々にまで視線を注ぐ。薄く唇を開け舌を這わす仕草は艶かしく、その妖艶な姿に体は否が応でも熱くなる。舌は次第に手首から二の腕へと移動していく。

 その間、背中には触れられていないのに、痺れにも似た感覚が迫り上がっていく。

「あまり見つめないでください」

 恥じらって首に腕を巻き付け抱きついてくるエミリーの肌のしなやかな柔らかさが、露わになっている上半身に直接触れる。ゾクリと背中を這い上がる情欲に支配され今すぐにでも押し入りたい気持ちを、どうにか留める。

 エミリーの腿辺りに巻きついている夜着を引き裂いてしまいたいもどかしさを感じつつも、肌に手を沿わせ丁寧に脱がしていく。その間にも滑らかな肌に触れ、唇を寄せ、エミリーを甘く溶かす。

 そしてふたりの間を隔たる全てのものを取り去り、一矢纏わぬ姿で抱き合う。愛らしい反応を示すエミリーを見続けていたい気持ちと、今すぐに全てを我がものにしたい気持ちとかせめぎ合う。
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