クールな王子は強引に溺愛する

 碧く深い瞳に堕ちていきそうになり、慌てて目を逸らすと顎を捕まえられ、無理矢理に視線を絡まされる。

「俺なしではいられなくするから、覚悟するんだ。修道院に逃げ込もうと考えられないほどに、な」

 そう宣言され、唇が重なる。深くなる口付けは息遣いを浅くさせ、リアムにしがみつく。

「ああ。ダメだ。まだまだエミリーが足りない」

 悩ましい声色に胸をドキマギさせる。

「あ、の。今から晩餐会に」

「ああ。わかっている」

 惚けた頬を両手で包み込まれ、額を擦り付けられる。

「そんな顔は俺以外に見せるな」

 リアム様が側にいらしたら、こんな顔になってしまいます。と、言いたい気持ちを押し留める。

 リアムに腰を抱かれ「行こうか」と控え室を後にした。
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