クールな王子は強引に溺愛する

「今日こそはゆっくり愛し合おう」

 リアムは穏やかだが、色香漂う微笑みをたたえる。

「改めてかしこまると気恥ずかしいですわ」

「ああ、まあな」

 そう言いつつ、指先は妖しく体のラインをなぞる。薄いシルク一枚を隔てた触れ合いは、どこかもどかしく、それでいて艶かしい。

 淀みなく与えられる甘く緩い刺激に、意識がぼんやりと霞んでいくのを感じる。

 目の前の逞しい体躯は美しくさえあり、いつの間にか恥ずかしさを忘れ、目を奪われていた。

「エミリーは目で犯すのか」

 リアムの指摘にハッとして、食い入るように見つめていた自分に顔を熱くさせる。

「俺の体はエミリーのものだ。触ってくれて構わない」

 恐る恐る手を伸ばすと、手を掴まれ胸へと置かれた。滑らかな筋肉質の肌にドキドキと騒がしくなる。それなのにもっと触れてみたい気持ちも沸き上がり、頬を寄せる。
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