クールな王子は強引に溺愛する

 息を飲んだリアムが、エミリーを包み込むように抱きしめ、掠れた声で要望を口にする。

「肌に口付けてくれないか」

 言われるまま唇を寄せると、体を揺らし、熱い息遣いに変わっていく。互いの体に触れ合い、息を荒くさせ、口付けた。

 キスも触れるだけのキスから、啄み、舐め、絡め合う。ゆっくりと時間をかけ、隅々まで愛し合う。

 溶けてなくりそうになり意識を手放しそうになると、寸前でリアムが察知して送り続けている刺激を止める。その繰り返しは次第にもどかしくなり、リアムにしがみつく。

「リアム様……」

「エミリー。いい加減、敬称を外してくれ」

 シーツを掴もうとして掴んだとて、押し寄せる官能の波に飲み込まれる。受け止めきれない甘い刺激に体を反らせ、潤んで揺れる視界の中で、リアムをかろうじて捉える。

「レシアス……」

 リアムは目を見開き、それから散々焦らし続けたエミリーの誰も触れ得ない深い場所に押し入る。悩ましい顔と声はエミリーの心を揺さぶり、必要以上に締め付ける。

「エミリー。必ず幸せにする」

 激しくなる情欲の波に飲まれ、返事などできるわけもなく、声なき声を上げる。リアムは何度も愛を刻みつけるように、エミリーと交わり求め続けた。
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