クールな王子は強引に溺愛する
「王国に迷惑をかけぬように、王子の座を捨て、私を妻にしたのですね?」
エミリーは、リアムがなぜ王子の座を捨てようとしていたのか、その真意を今知った思いがした。
「順番が違う。エミリーを愛しているのだ。妻にしたいのは当然だろう?」
ため息を吐き、リアムは腕を伸ばしエミリーを抱き寄せる。
「厳しい言い方になったのは悪かった。なぜ相談してくれなかった。俺はエミリーの力になりたかった」
エミリーは頭を振り、リアムの言葉を受け取らない。
「不正をしていないと、確証を得てから求婚したわけではありませんよね? もしも不正をしていたら、どうされたのですか?」
『もしも』を話しても仕方ないと思いつつ、質問せずにはいられなかった。
リアムは抱き寄せていた腕を解き、嘘偽りのない真っ直ぐな眼差しを向ける。