クールな王子は強引に溺愛する
「ここは閨だ。そして、この場に相応しい行いをしようと思うぞ」
「え、リアム様、だって昨晩散々……」
抗議は聞き入れられず、捕まえられた手に口付けを落とす。その仕草は昨晩の始まりを忠実に再現しており、否が応でも体が熱くなる。
「ここまで待ち続けたのだ。一週間の休暇をグレイソンに許可させた」
ため息混じりに小言を漏らすグレイソンを思い出し、なんだか不憫に思う。
「休暇どうこうを申しているわけでは」
「明日からは蜂毒に慣れる処置もする。ゆったりできるのは今日までだ」
処置を施すための長期休暇なのだと理解しつつ、リアムの呟く声を聞き逃さない。
「ま、慣らす処置の期間でも慈しみ合うがな」
「リアム様⁉︎」
「レシアスだろう? それともリアムでもいい」
甘やかすようなキスをされ、シーツに深く体を沈ませる。どうあがいても、リアムの甘い包囲網からは逃げられそうにない。