クールな王子は強引に溺愛する

「逃げ道を絶ち、結婚を強要するなど」

 全ての元凶を思い出し顔を歪ませる。エミリーには清らかな場所で生きていてほしかった。

 再会したエミリーは幼い頃の面影を確かに残しているものの、すっかり大人の女性へと変貌を遂げていた。

 光瞬くプラチナブロンドの髪に滑らかな白い肌。吸い込まれそうほどに澄んだエメラルドグリーンの瞳は、どれも幼少期の面影を残しているのに、記憶の中のエミリーよりもずっと麗しかった。

 大人になってからのエミリーを知るべく取り寄せたどの絵姿よりも美しく、抱き上げた時などこれほど儚げな女性がいるのだと庇護欲を掻き立てられた。

「エミリー様と結婚出来るとなって、居ても立ってもいられずに会いに来たと、ありのままをお伝えすれば、万事うまく行くでしょうに」
 
 呆れ顔のグレイソンの声を無視し、真面目な話を向ける。

「ウォーレス伯領への視察は抜き打ちだ。気を引き締めて行かねば、暴けるものも暴けぬぞ」
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