クールな王子は強引に溺愛する

 不穏な動きのある領地を視察し、問題点があれば是正を促す。アンベリール王国への反逆意思があると見なされれば、それ相応の罰則、反旗を翻され我々だけでは危険と判断した場合は帝国軍に援軍を求め、討伐という形になるだろう。

 自ら内戦を起こすようなヘマはしたくない。不正があれば言い逃れ出来ない真実を突きつけ、反撃の芽を摘み取り、無駄な争いは避けなければ。

 リアムの思考はアンベリール王国の第二王子としてのそれに変わり、ただひとりの男としての思考は影を潜めた。

 グレイソンは王国のため奔走するリアムを敬服しているが、反面哀れにも思っていた。

「我が尊敬する元帥殿は、剣術には長けていても、色ごとには相当な朴念仁らしい」

 グレイソンのため息混じりの呟きは、リアムの耳には届かなかった。
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