クールな王子は強引に溺愛する

 エミリーはリアムがグレイソンと共に去っていく様を見送った後、両親へと向き直る。

「急な結婚で、大した親孝行も出来ずに出て行く不躾な娘をお許しください」

「なにを……。我々こそエミリーの希望を叶えてやることも出来ず……」

 修道女にはなれそうにない。

 それでも初恋の人に、理由はどうあれ求婚され結婚する流れになったエミリーは果報者だろう。

 大きな体を小さくさせ、肩を揺らす父を励ますように言う。

「あんなに素敵な方に娶っていただけるのですから、奇跡のようなお話ですわ。私はとても幸せです」

「ああ、そうだね。リアム様であれば、エミリーを守ってくださるだろう」

「私もリアム様を支えられるよう尽力いたしますわ」

「……幸せにな」

 声を詰まらせる父に思わず抱きつく。父もそれに応えてきつく抱きしめた。
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