クールな王子は強引に溺愛する
溢れそうになる涙をグッと堪え、明るく告げる。
「年に数度はお許しをいただいて、エストレリア伯領に帰って来てもいいでしょう?」
父の隣で涙を拭う母がニッコリと微笑んだ。
「ええ。そうね。ここはエミリーの故郷になるのよ。たまにはリアム様と顔を見せに来て」
「お母様!」
父との抱擁を解き、母とも抱き合う。
そして、小さな弟ブライアンとも抱き合った。
「エミリーお姉様。リアム様は凛々しいお方ですね」
「ええ。とてもお強いそうよ」
「悪い人からお姉様を守ってくださいますね」
顔いっぱいの笑顔で言われ、愛おしさに胸が詰まる。
「ええ。ええ。そうね。ブライアンもリアム様に追いつけるように剣術のお稽古、頑張ってね」
「はい。エミリーお姉様」
もう一度、三人それぞれと抱き合って頬にキスを交わした。名残惜しい気持ちを抱えながらも、馬車に乗り込んだ。