クールな王子は強引に溺愛する
「そこまでにしてもらおうか」
空気を切り裂く声を聞き、皆が静まり返った。片掛けのペリースを翻し、エミリーの元に歩み寄ってきたのはリアムだった。
リアムはエミリーの元に歩み寄るまでの間も、鋭い視線をキッシンジャー卿から外さずにエミリーとの間に立った。
「我が妻を侮辱するのは、我を侮辱するのと同等と弁えよ」
「我が妻ですと?」
片眉を上げるキッシンジャー卿に、リアムは堂々と告げる。
「エミリー嬢との結婚を、陛下にもお許しいただいた」
キッシンジャー卿の後ろに控えている女性たちが、ざわざわと騒がしくなった。キッシンジャー卿は煩わしそうに頭を振り、リアムに意見する。
「アンベリール王国の第二王子ともあろうお方が不正を行う領地の娘を娶るなどと、正気ですか?」
「父は不正なんて!」
声を上げるエミリーをリアムは制止し、キッシンジャー卿に対し、最終宣告とばかりに告げる。