クールな王子は強引に溺愛する

 部屋に入るとベッドに押し倒される。

 あまりの状況に目を見開き、揺れる瞳でリアムを見上げる。見上げた先にあるリアムは、悲痛な表情を浮かべていた。

 この状況を理解できずに、逃れたくとも、両腕を押さえつけられ身動きが取れない。

 そこへ息を切らした神父が到着し、グレイソンに急かされるように口を開いた。

 首だけ横に向けて確認をすると、神父は聖書に手を置いている。

「リアム・イグレシアス。あなたはエミリー・ガルシアを病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 これは、結婚の誓い?

 目を丸くするエミリーをよそに、リアムはエミリーを見下ろし、真っ直ぐに見つめて言う。

「はい。誓います」

「エミリー・ガルシア。あなたはリアム・イグレシアスを病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 そんな。どうしてこのような……。

 意味もわからないまま、懇願するようにリアムを見つめたが、リアムはなにも答えてくれない。
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