クールな王子は強引に溺愛する
妻になる覚悟で来た。今さら躊躇する理由もなかった。エミリーは震える唇を動かした。
「はい。誓います」
「おふたりが神の名の下に夫婦になったことを、ここに宣言します」
神父の言葉を最後まで聞く前に、エミリーの唇が奪われた。
「んんっ!」
首を振り、どうにか抵抗を見せるとリアムが唇を離し、掠れた声で言う。
「すまない。許してくれ」
唇は首筋を這い、手首はいつの間にか片手で押さえられていた。自由になった片手で、リアムはエミリーのドレスをまくし上げる。
「いやっ!」
声を上げ、視線を彷徨わせると、皆が出て行ったと思っていた部屋に人の気配を感じた。
「やっ。誰かが、まだっ」
「見届け役だ。王族と契りを交わす者が、本当に関係を結んだのかを見届けるのだ」
「そんな……」
エミリーの体の上に馬乗りになっているリアムは、体を捻りあの厚手の天蓋を閉めた。
ああ、だからこちらの天蓋はカーテンのように重厚だったのだ。
そんなどうでもいい思いが頭を巡る。