クールな王子は強引に溺愛する
「神に誓いも立てた。俺たちは正式に夫婦だ」
私が敬虔なクリスチャンだから神父を?
キリスト教では婚前交渉は認められていない。そして生涯ただひとりを愛さなればならない。
「ああっ! いやあ!」
ドレスを無理矢理脱がされ、声を上げる。逃げ出したいのに押さえつけられて、逃れられない。光が遮られた空間の中で、ぼんやりと黒い髪がエミリーの体に近付いてくるのが見える。
熱い手がエミリーの肌に触れ、体を捩る。執拗に掴まえる手は強引なのに、肌をなぞる指先はどこか戸惑いがちに優しく触れる。
こんな優しさいらない。いっそ酷く奪ってくださればいいのに。
頬を涙が伝うが、これがなんの涙なのかエミリーも分からなかった。