クールな王子は強引に溺愛する

「あの、こちらに来ていただけませんか?」

 控えめに言うと、扉は開いてリアムが部屋に体を入れた。

「食事は口にできているか?」

「はい」

「そうか。よかった」

 安堵の表情を浮かべるリアムに、エミリーは頬を緩める。

 リアムはエミリーを見ないまま、壁を見つめて話した。

「エミリーの侍女に頼み、野苺ジャムを分けてもらった。陛下との晩餐の肉料理にソースとして使うよう料理長に申し付けた」

「まあ。そうでしたの」

「ああ。見せたかった。とても評判が良かった」

 リアムがこちらに顔を向けると、ドキリと胸が高鳴った。リアムはゆっくりとエミリーのいるベッドへと歩み寄る。

「体が辛いと思うが、すまない」

 謝らないで。

 そう言いたいのに、傷ついているような顔のリアムに言葉を掛けられない。

 どうしてリアム様は、こんなに傷ついた顔をされているの?

 胸がキリキリと痛み、リアムを抱きしめて慰めたい思いに駆られる。

 リアムがベッドに膝を乗せるとギシッと音を立てる。昨日の情事が蘇り、僅かに体を揺らす。

「すまない。許してくれ」

 悲痛な表情を浮かべ、リアムはエミリーに覆い被さる。

 どうして謝るの?

 謝られれば謝られるほど、惨めな気持ちになってくる。
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