クールな王子は強引に溺愛する

「しかし最大の問題が!」

 全てを解決させてから。そう思っていたのだが、グレイソンは渋い顔で首を横に振る。

「そうしている間にエミリー様の心が壊れてしまってもよろしいのですか?」

 グレイソンに意見され、言葉に詰まる。

 仕事に関しては、自分の考えに自信を持っている。元帥としての騎士団の統制や、第二王子として王国をよくするための改革については自分を信じ、力に屈せず押し進めてきた。

 しかしエミリーのことになると、途端にわからなくなる。

 既に良かれと思って行動している全てが、裏目に出ている結果しか出していない。

「承知した。エミリーに話そう」

 リアムは重い腰を上げ、執務室を後にした。

 グレイソンは、主が出て行った部屋でひとりごちる。

「素直にお気持ちをお伝えすればよろしいのに。我が君は、どこまで不器用であらせられるのか」

 恋は盲目とはよく言ったものだ。グレイソンの目から見ても、エミリー嬢が関わると、リアムは正常な判断ができないようだった。
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